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福間洸太朗 ピアノ・リサイタル

恒例の福間洸太朗さんのリサイタル。今年は「鳳凰が見たもの」というテーマで開催されました。

プログラムはこちらです。

リスト        オーベルマンの谷(「巡礼の旅 第1年スイス」より)
ショパン        ソナタ第3番 op.58

~~~~~~~~~(休 憩)~~~~~~~~~

ラフマニノフ     前奏曲嬰ハ短調 Op.3-2 『鐘』
           13の前奏曲 Op. 32より 第12番嬰ト短調、
                    第13番変ニ長調
スクリャービン      ソナタ第5番 op.58
ストラヴィンスキー   火の鳥(アゴスティ編曲)


なかなか重量級のプログラムでございます。
私も全曲知っているわけではないのですが、知ってる曲だけ考えても
「これはすごい。。。」
2曲目のショパンのソナタで、リサイタルが終わってもおかしくないのに、
まだ後半があるんですから。
福間さんの気合い、意気込みを感じて、「これは聞きに行かねば」と出かけましたが、ほんとにすごかった。

リストの「オーベルマンの谷」はとてもスケールの大きな雄大な感じの曲で、
どれだけ大きな深い谷なんだろうと思わせます。
ショパンの3番ソナタは30分近くかかる大曲。

ラフマニノフの「鐘」は、ロシアの教会にかかる大きな大きな鐘が
鳴り響く感じで、短調ですから一層重たさを感じさせます。
この曲の最後に、本当の鐘の音がす~っと消えていくように、
ピアノの音がフェイドアウトしていったのがとてもきれいで感動していたら、
そのまま切れ目なく次の曲が始まりました。
13の前奏曲の第12番は、分散和音がキラキラと輝くような、
第13番は曲集の最後を飾るにふさわしい華やかな曲でした。
(3曲がひと続きに演奏され、一つの曲のようだったのも素敵でした)。

次のスクリャービンのソナタは、福間さんの解説によると
「調性のない曲」だそうで、確かに聞いていても捉えどころのない、
不思議な感じの曲でした。どこへ連れていかれるのかなあと思っていたら、
いつの間にか終わってた、みたいな。

(ご本人が解説されている動画がありますので、興味のある方はどうぞ)
 https://www.youtube.com/watch?v=GP-eDzOhvSI

最後の「火の鳥」は、「フォルテがいくつ付いてるんですか~?」と言いたくなるくらい、激しくて力強い曲。
これが終わった時には、本当に「おなかいっぱい」状態。
例えて言うなら、メインディッシュを3つ立て続けにいただいたみたいな。
ご本人も相当疲れられたんじゃないでしょうか。

こうなると、アンコールはどうなるのか???
さすがに、もう重たい曲はないよね、と思いながら拍手していたら、
1曲目は、サン・サーンスの「白鳥」(ゴドフスキ編曲)。
正直、これでホッとしました。心がふわ~っとするような感じ。
ようやくゆっくり深呼吸ができた、みたいな。

アンコール2曲目は、ダカンの「カッコウ」。
(「火の鳥」→「白鳥」……ときて、「鳥」つながりなんですって)
よく子どもたちのピアノの発表会で演奏されます。
ただ子どもたちが弾くと、とってもゆっくりなことが多いのですが、
福間さんの「カッコウ」は速い速い。
でも本当にカッコウが鳴いてました!
ピアノの中からカッコウのさえずりが確かに聞こえたのです。

いわゆる「超絶技巧」的な曲もすごいと思いますが、
誰もが練習する曲をプロが演奏された時、
同じ曲が、それまでと違って聞こえてくることがあります。
これがまさにそのその典型例でした。
そして、こういう曲をプロが演奏されることは少ないだけに、
何だかとっても得をした気分になりました。

もうないかな…と思いながら手をたたいていたら、
「主催者の方がもう1曲どうぞ、と言ってくれたので」と、
「鳥つながり」と言えば「鳥つながり」の曲、
チャイコフスキー作曲「白鳥の湖」から「ロシアの踊り」

華やかなバレエ音楽で、最後は華やかに盛り上がって終わりました。
ブラボー

「火の鳥」で、「もうおなかいっぱ~い!」と思ったのに、
アンコールが終わった時にはとってもハッピーな気持ちに。
必ず最高の気分で帰してくださるところが、さすがプロ!と感心するやら感謝するやら、でした。

昨年が "con fuco" で、今年が重量級プログラム。
これも素敵なんですが、私は初めての福間さんのリサイタルで聞いた
"Shimmergin Water" の素晴らしさも忘れられません。
来年はドビュッシーの没後100年だそうですから、ドビュッシーいっぱいの
プログラムを組んでくださらないかなあと勝手に期待しています。

コンサート会場で販売されていたCD(PIANO FANTASY)を楽しんでいます。繊細な音色が素敵です。



mkm






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映画 「心に吹く風」

ユン・ソクホ監督の劇場用映画第一作として全国紙でも紹介されていた割には上映館が非常に少ないのに、まずびっくりしました。「冬のソナタ」から早や15年。そんなものといえば、そんなものなのかもしれないと思いつつ、主演の眞島秀和さんのファンなもので、眞島さん見たさに出かけてきました。眞島さんって私は素敵な役者さんだと思うんですが、主演はあまり多くなくて映画でしっかり見られる機会は結構少ないのです。

公式サイトの予告編を見ると、どこか(主に「冬のソナタ」)で見たことのあるようなシーンがいくつかあって、多少は二番煎じを覚悟しましたが、実際に見てみると確かに見たことのあるシーンはそこここにあったものの、お話は四季シリーズとはだいぶ違いました。

ここからはネタバレです。
高校の時に知り合って恋に落ちた2人。
彼が東京の大学に進学するのを故郷の駅で見送った後、彼女の実家の様々な事情のため連絡が途絶えてそれっきりに。。。
どんな事情があったのかはわかりませんが、大学に入ったばかりの彼に連絡したら迷惑になるんじゃないかと気遣って、身を引いてしまったようです。
その後、彼は彼女を忘れることができず、結婚もしないでビデオアーティストになりました。
彼女の方は、現実を受け入れたのでしょう。その後 間もなく結婚し、娘を一人授かり、今は夫と姑との3人暮らし。(娘は札幌の大学に入って一人暮らし) かつての夢も諦めて、堅実に家庭を守る主婦になっていました。

そんな2人が23年ぶりにひょんなことから再会し、たまたま彼女の夫が出張中だったため、2日間彼の撮影につきあうことに…。
彼の方は、思いもかけない再会に最初はぎこちなかったものの、もう一度会いたいと思い続けてきた気持ちが抑えられず、どんどん彼女を引っ張り出します。(彼は独身だから、誰に憚る必要もないわけです。それから、これは私の私見ですが、彼女がなんだか幸薄そうな表情だったのも、気になったのではないでしょうか)

彼女の方は、家族を持つ身ですし、もともと真面目な性格らしく、彼に近づくまいとするのですが、少しずつ呼び起こされるかつての思い出に徐々に心を解き放たれていきます。

2人きりで2日半を過ごして、お別れ。その最後の場面で、映画やドラマでよくあるようなお別れができなくて、とんだ邪魔が入って(?) 一気に現実に引き戻されるように別れなければならなかったことに心が痛みました。

お話としては、かなり淡々と進んでいく方なので、すごくドキドキするとか、ときめくという感じではありませんでした。
ただ二人の心の動きを丁寧に辿る過程に、ユン監督ならではの素晴らしい映像美と、イ・ジスさんの美しい音楽が散りばめられていて、何とも言えない至福のひとときを過ごすことができました。

映画のタイトルにもある「風」を、木の葉のざわめきやウィンドチャイム(windchime) を使うことによって、視覚、聴覚でとらえられるよう工夫されていたことも素敵でした。

眞島さんファンとしては、もう少し眞島さんが素敵に見えるような撮り方はできなかったかなあと思ってしまいましたし(ユン監督、眞島さんのこれまでの出演作をどれだけご覧になったのかなあ?)、少年時代を演じた鈴木仁くん、もう少し眞島さんに似た俳優さんいなかったかなあとは思いましたが、良い映画でありました。



mkm

シプリアン・カツァリス ピアノ・リサイタル

シプリアン・カツァリスさんはフランスのピアニストです。この方ののショパンのワルツのCDを持ってますが、内声部を際立たせる弾き方をされるので、他のピアニストの演奏では聞こえない音が聞こえてきて、「なかなかユニークなピアニストだなあ」と興味を持っていました。で、近くでリサイタルがあったので、聴きに行ってきました。

プログラムはこちらです。
     
ベートーヴェン:エグモント序曲 作品84
メンデルスゾーン/リスト:7つの歌より「ズライカ」 作品34‐4
シューマン:ノヴェレッテ第1番 ヘ長調 作品21‐1
プーランク:ノヴェレッテ第3番 ホ短調 FP173
ジャン=パティスト・ルイエ:クーラント ホ短調
ゴドフスキー:ルネッサンス 第10番 ルイエのクーラントの自由な編曲
リスト:ハンガリー狂詩曲 第13番 イ短調 S244
J・シュトラウス:ウィーン気質

 ~~~休 憩~~~

ラヴェル:「マ・メール・ロア」より第3番 パゴダの女王レドロネット
日本の曲 (「小さな秋みつけた」)
ファンタナ:マズルカ ホ短調 作品21-2
ショパン:マズルカ 嬰ハ短調 作品63-3
シューマン:謝肉祭 作品9より 第12番 “ショパン”
カツァリス:ありがとう、ショパン
パンチョ・ヴラディゲロフ:印象 作品9より 第8番 パッション
ガーシュウィン:私の彼氏(The Man I Love)
エイブラム・チェイシンズ:プレリュード 変ロ短調 作品12‐3
ラフマニノフ:プレリュード ニ長調 作品23‐4
カツァリス:さよなら ラフマニノフ

これまでに聞いたことのない曲が大半です。私はメインのソナタみたいな大曲が未知の曲だと少々不安になりますが、今回のように短い曲ばかりのリサイタルだと、知らない曲が多くてもなんだか楽しみになるから不思議です。

リサイタルは、まず即興曲から始まりました。カツァリスさんは演奏会をよく即興曲で始められるとか。
即興曲の最初の部分は、なんだか「さくらさくら」を思わせるような旋律でした。その後、流れるような旋律がしばらく続き、「どこへ連れて行ってくれるのかなあ」と思いながら聴いていると、最後には「赤とんぼ」になりました。日本の曲もよくご存じなんですね。よく知ってる曲が出てくると、なんだかホッとします。

プログラムに入ると、楽譜なしで演奏されたり、楽譜を見ながら演奏されたり。楽譜を見る時にはメガネを出して、必要に応じてかけたり外したり。カツァリスさんは明るいお人柄のようで、楽譜を出したりメガネをかけたりの動作ひとつひとつが見る者を楽しい気持ちにさせてくれて、演奏以外でも楽しめました。もちろん演奏もとても素晴らしかったです。

プログラムが終わって、アンコール。マイクを持ち、ポケットから小さなメモを出してカツァリスさんは読み始められました。
「最後にアンコールを1曲だけ演奏します。ショパンの『葬送行進曲』です。先日、亡くなられた中村紘子さんに捧げます。だから弾き終わっても拍手はしないでください」

とても厳かで美しい葬送行進曲でした。
弾き終わったカツァリスさんは、ごく一部で起こった拍手を手で制して帰って行かれてリサイタルは静かに終わりました。

中村紘子さんを偲びたいというカツァリスさんのお気持ちは、受け入れたいと思います。会場には同じ思いの方もたくさんおられたことでしょう。ただやはり、最後が「葬送行進曲」で、心ゆくまで拍手を送れないというのは正直少しつらいものがありました。追悼は追悼として、カツァリスさんにはもっと賛辞の拍手を送りたかったなあ、と少々モヤモヤ。。。 リサイタルが楽しかっただけにね。

でも今回、カツァリスさんはこういう形でご自分の思いを表したかったわけですから、こういうこともあるよね、って考えることにします。

プログラムの大半はクラシック曲。その中に自作自演あり、即興曲あり。「あの『クリス・ユン』のリサイタルも、こんな感じだったのかなあ?」と、ふと思いました。



mkm




福間洸太朗 ピアノ・リサイタル

ほぼ1年ぶりの更新になってしまいました。
他に書きかけの原稿もあるのですが、福間さんのリサイタルの後は 何だか書きたい気持ちがあふれてくるので、こちらを先にアップします。

今回のリサイタルには、《ショパンの命日に捧ぐ / コン・フォーコ》 という副題がついています。10月17日のショパンの命日に近かったからでしょうか。「コン・フォーコ (Con fuoco)」 は、音楽用語で「情熱的に」という意味で、ショパンはその人生の中でも10年くらいしか Con fuoco を使った作品を書いていないそうです。(確か、パリに出てきてからの10年くらいと仰ってたと思います)。

プログラムはこちらです。
       

ノクターン第4番 ヘ長調  Op. 15-1
練習曲 Op.10 第3番 ホ長調『別れの曲』
        第4番 嬰ハ短調 ☆
バラード第1番 ト短調 Op.23 ☆
練習曲 Op.10 第11番 変ホ長調
         第12番 ハ短調『革命』 ☆
バラード第2番 ヘ長調 Op.38 ☆
スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39 ☆

―――――――休 憩―――――――

24の前奏曲 Op.28(17曲目が☆)


演奏された全ての曲に Con fuoco が使われているわけではなく、使われている曲とそうでない曲との対比を楽しんでくださいとのことでした。(曲名の後ろに ☆マークをつけた作品に Con fuoco が使われています。)

バラードの1番までは、何だかピアノと福間さんがしっくりいってないようで、「?」な箇所もありましたが、その後は完全に一体になっての素晴らしい演奏で、ショパンの世界を堪能することができました。楽しかったです。^^

ただ、これまでの福間さんのコンサートでは、数人の作曲家の作品を聴かせていただいていたのに対し(昨年は世界旅行でした!)、今回はショパンの作品の中でも “Con fuoco” が使われている作品に限定されており、狭い世界に限定されてしまった感じだったのが少~し物足りなく思われました。(って、贅沢な話ですね)。

で、アンコール。1曲目はショパンの子守歌(Op.57)。もちろん、Con fuoco の曲ではなくて、静かに揺り籠を揺すりながら赤ちゃんに語りかけるような優しい曲です。ショパンの晩年の作品ということもあって、それまでに聞いた曲とはひと味違う感じでした。

これを弾き終えてから、解説がありました。ご自身のツィッターで、ショパンの作品の中で聞きたいものをアンケート調査されたことがあったそうです。その時、上位に入った曲で今回のプログラムに入れられたものもあったそうなのですが、1位になった曲は Con fuoco とは縁のない、「水」の世界の曲だったので、どうしてもプログラムには入れられなかったとか。それで、まず「子守歌」で Con fuoco の熱を冷ましてから、1位になった曲を演奏しようと思いました、とのこと。

その1位になった作品はショパンの「舟歌 Op.60」。福間さんの舟歌は以前にも聴いたことがありましたが、演奏会を締めくくるにふさわしく今回も見事な演奏でした。

今まででしたら、アンコール2曲弾いたら手を振って帰って行かれるのですが、今回は手を振る代わりにまたまたマイクを手にされました。報告が2つあるとのことで、まず1つ目は今年は新しいCDを出せなかったので、自主制作のDVDを会場で販売していること。自主制作なので画質音質ともに「……」なところがあるため、2,000円で販売しています、って、そんなに正直に言わなくてもいいのに…。

2つ目は、再来週からアルゼンチンでコンサートをして、その後また関西でコンサートをしますので、よろしければそちらにもどうぞ、ということ。今度はフランス音楽がメインで、これから弾く曲も次回のコンサートで演奏予定とのことでした。

アンコール3曲目 : サティ   お前がほしい(福間洸太朗編曲)

「次回は12月5日、びわ湖ホールで2公演」と仰ったように聞こえたのですが、帰ってから調べてみると我が家からはさらに遠いフィガロホールだとわかりました。行きたいけれど、ちょっと遠いし、いささか不便……。

フィガロホールは行ったことがありませんが、100名ほどの小ホールで音響はとても良さそう…。こんなところで福間さんのピアノが聴けたら素敵だなあと想像をふくらませています。



mkm




福間 洸太朗 ピアノ・リサイタル 「祖国への思い」

昨年はチケットを買いながら台風の前に涙をのんだ福間洸太朗さんのリサイタルに、2年ぶりに行くことができました。

プログラムはこちらです。
     

グリーグ:「抒情小品曲集」より 
    第3集 第3曲 故郷にて
      第2集 第4曲 ノルウェー舞曲
      第2集 第5曲 ノルウェー舞曲(春の踊り)
      第6集 第6曲 郷愁
      第7集 第6曲 家路

ショパン:マズルカ第49番ヘ短調 op.68-4
      ポロネーズ第6番変イ長調 op.53 「英雄」
      バラード第1番ト短調 op.23

スメタナ(福間洸太朗:編曲):モルダウ

・・・・・(休 憩)・・・・・

アルベニス:組曲「イベリア」より
       第1曲 喚起(エヴォカシオン)、第3曲 セビーリャの聖体祭

ヒナステラ:アルゼンチン舞曲
       第1番 年老いた牛飼いの踊り
       第2番 優雅な乙女の踊り(粋な娘の踊り)
       第3番 はぐれ者のガウチョの踊り

スケルトン:「ジョニーが凱旋する時」の主題による25の変奏曲 


北欧ノルウェーを出発してヨーロッパを巡り、後半はアルゼンチンやアメリカへ。「音楽の世界旅行」を楽しんでください、というコンセプトのリサイタルでしたが、この世界旅行、序盤は少々ピアノが荒れ気味? なかなかいうことを聞いてくれないのか、ペダルを踏み終えた際に不自然な残響があったり、「以前はこんな弾き方してなかったのにな」と感じられる音が聞こえたり…ということがあって、少々 「??」 な箇所もありましたが、ショパンの途中から少しずつ解消されて、休憩の後はもう完全に「洸太朗ワールド」全開!で、思いきり楽しませていただきました。

ショパンのポロネーズ、バラードとスメタノのモルダウ以外は知らない曲でしたが、グリーグの小品は可愛らしく楽しく聞ける作品でしたし、ショパンのマズルカ第49番は、ショパンの生涯最後の作品だそうで、哀愁漂う曲調に晩年のショパンの孤独や不安が現われているようでした。

ご本人編曲のスメタナの「モルダウ」は、3年前のリサイタルで初めて聞いて大変感動した曲です。その3年前の公演のために編曲し、その後は演奏するつもりもなかったのに、お客様から好評をいただき、CD会社の方からもレコーディングの話をいただいて、先月発売のCDに収録することができたこと、「楽譜はないんですか?」とよく聞かれるんだけど、まだスケッチ程度のものしかなくて、いずれはちゃんとしなければと思っているけれど時間がないこと、そのため手伝ってくれる人と楽譜を出版してくれる出版社を募集していることなどを話されました。(そんなこと言ったら、出版社はともかく、腕に覚えのある音大生なんかが殺到するんじゃない?、なんて)^^

後半は知らない曲オンパレード。どんな曲を聞かせていただけるのかなと楽しみに耳を傾けていましたが、アルベニスの2曲目「セビーリャの聖体祭」は聞いたことあって、ちょっと嬉しかったし、これまで聞いたことがなかった1曲目の「喚起」の、心の奥から何かを呼び起こすような調べは心に響きました。

ヒナステラの「アルゼンチン舞曲」は全体的に不協和音が多かったのですが、音の組み合わせがこれまで聞いた不協和音とはひと味違う感じ。(アルゼンチンでよく使われるものなのか、ヒナステラさんが好むものなのかはわかりませんが) 第1番の「年老いた牛飼いの踊りは、ほとんど全曲が不況和音です。不協和音は正直あまり好きではありませんが、この曲は「次はどうなるのかな?」と楽しく聴けたのが不思議です。それにしてもアルゼンチンの年老いた牛飼いは、あんなに激しく踊るんでしょうか? 第2番の「優雅な乙女の踊り」はタイトルのイメージとは少し違って、少女の不安や戸惑いや希望を感じさせるような、しっとりとした音楽でした。第3番の「はぐれ者のガウチョの踊り」はとてもエネルギーあふれる感じで楽しく聴くことができました。

最後の「ジョニーが凱旋するとき」の演奏前に、この曲を作曲したスケルトン氏について、説明がありました。
福間さんが14歳でアメリカの14~18歳の対象のコンクールに出て、6位入賞を果たした時の審査員の一人がスケルトン氏で、コンクール終了後に「とてもピュアな音楽性を持っているので、このまま勉強を続ければ立派な音楽家になれますよ」と励ましてくださり、その後、クリーブランド国際コンクールで優勝してニューヨークでリサイタルを開いた時も駆けつけてくださった、福間さんにとっては恩人といえる方で、その方の作品を演奏できることが本当にうれしいということでした。

「ジョニーが凱旋するとき」のテーマは、お聞きになった方も多いのではないでしょうか。
            ↓
https://www.youtube.com/watch?v=xD_ddHg_HTw

元々は歌曲で、既存の曲に南北戦争に行ったフィアンセの帰還を願う女性のための歌詞がつけられたものだとか。それが様々に姿を変え、高らかに歌い上げられて、リサイタルの最後を飾りました。

欧州から南米→北米を巡った音楽の世界一周。最後は日本に帰りました。

アンコールの1曲目は、溝上日出夫 作曲の「こもり歌」。
懐かしい調べに、ほっとした気持ちになりました。
2曲目は、この日のプログラムとは特に関係のない、ガーシュイン作曲の「プレリュード第3番」。たいへん速いパッセージが散りばめられた、美しい曲でした。

以前に聞いたリサイタルではアンコール2曲でおしまいだったので、今日もそうかな?と思っていたら、「実は、このコンサートのために特別な曲を用意しています」って。
それが、松尾 泰伸さん作曲の「天と地のレクイエム」。
           ↓
https://www.youtube.com/watch?v=TPZpDcclwAA

この曲は、羽生結弦選手がエキシビションに使った曲です。
今年、福間さんがフィギュアスケートの選手とコラボしたこと、スケーターの皆さんや、フィギュアスケートの関わるアーティストの方々との出会いが、これからの自分にとって、とても大きなものになったと話されました。

この曲を作られた松尾泰伸さんとも神戸のアイスショーの時に出会われたそうですが、楽譜がほしいとお願いしていたら、先月送っていただけたそうです。「十分に準備する時間はなかったけれど、東日本大震災で亡くなられた方、今年各地で起こった災害で亡くなられた方、そして昨夜パリで起こったテロの犠牲になられた方のために演奏します。作曲された松尾さんが今日この会場に来られているので、作曲者ご本人の前で、そしてこんなに大勢のお客さんの前で演奏すると思うと足の震えが止まりません」…と言いながら、切ないメロディーを力強くと演奏されました。

福間さんは高校卒業後パリに4年間留学されていたそうです。自分にとって第2の故郷とも思っている街での惨劇に本当に心を痛めておられたようでした。パリのあちこちで起きたテロの現場の一つがコンサート会場でした。私はこの日、お昼前に家を出たのでパリのテロについて詳しいことを知ったのは帰宅後でしたが、自分と同じように音楽を楽しんでいた多くの方が犠牲になられたことがショックで、あまりのことに心が痛んでなりませんでした。

音楽を愛し、スポーツを愛し、その楽しさや喜びを人々と分かち合えるのも平和であってこそ。自分は日々穏やかに暮らし、ささやかな楽しみを得ることもできているのに、楽しみはおろか、故郷に住み続けることがかなわずに、欧州各地に避難しようとしている何万もの難民の方々、テロに被害に遭われた大勢の方々がおられる現実を突きつけられた気がして、胸が苦しくなりました。憎しみの連鎖が少しでも早く断ち切られるよう、祈ることしかできない自分がもどかしくてなりません。

コンサートを楽しんできたのに、なんだか重くなってしまいました。
「モルダウ」の収録されたCDを買ってきました。なかなか良いので、これについてはまた改めてお話ししたいと思います。




mkm






プロフィール

そよかぜおばさん

Author:そよかぜおばさん
韓国ドラマ「春のワルツ」で描かれなかった15年間に興味を持ち、何とかこの空白を埋めてみよう!と皆さんからアイデアを頂きながら進めてきました。ドラマ後の物語(ピアニスト クリス・ユンの復活)も同時進行させています。「空白の15年」はまだ6年ほど残っていますが、「復活編」はひとまず完結いたしました。


これとは別に趣味のクラシック音楽の話、印象に残った本やテレビ番組、映画の感想など思いつくまま気の向くままにお話ししたいと思います。

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