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レオン・フライシャーさんのこと

毎週金曜日、夜10時半からのNHK教育テレビ「芸術劇場」。

 

今週はレオン・フライシャーさんというピアニストのリサイタルでした。新聞の番組欄に「右手の病を超えて」とありましたので、思わず引き寄せられまして…  。録画しながら結局ほとんど最後まで見て(聴いて?)しまいました。

 

この方は 1928年アメリカ生まれ。4歳でピアノを始め、8歳で初リサイタル、16歳でニューヨークフィルハーモニックと共演。その後、アメリカ人として初めてエリザベート王妃国際コンクールで優勝し、世界中ですべての主要なオーケストラ・指揮者と共演するなど華々しい活躍をされていた36歳のある日、突然右手の2本の指が動かなくなる病気に取りつかれ、懸命の治療やリハビリも効果がなく 37歳で一度は引退を余儀なくされたそうです。

 

病気の正体がわからないまま、その後のフライシャーさんは指揮者、指導者としての活動を進め、同時に右手のリハビリを続けながら左手のピアノ曲での演奏活動をされました。

 

90年代半ばにようやく病気の正体がジストニアとわかり、薬物療法が功を奏して、また両手での演奏活動ができるようになったそうです。右手が動かなかった期間は35年とのことですので、何とか右手でピアノが弾けるようになったのはフライシャーさんが70歳を過ぎてから、ということになります。

 

ジストニアとは筋肉や骨には異常がないのに全身または体の一部が動かなくなる病気です。心因性のものではなく、脳の機能障害だそうですが発症のメカニズムはまだ解明されていません。

 

演奏家に多い病気だそうです。日常生活には問題ないのに、演奏しようとすると指先がこわばったり曲がったりして演奏ができなくなってしまうのです。日々練習を積み重ねる中で難しい指の動きを繰り返すことが脳の神経回路に異常をもたらし、本来リラックスさせなければならない筋肉に収縮せよとの誤った指示が出されるのでは、と考えられているそうです。

 

指自体に痛みはないのに、ピアノを弾こうとすると指先が曲がってしまうことに

どれほど苦しまれたかと思うと、心が痛みます。それでもフライシャーさんは毎日ピアノに向かっておられたそうです。ある日突然発病したように、ある日突然治ってくれるのではないかと信じて。

 

  決して諦めてはいけない。

  どんな困難にも希望を捨ててはいけない。

  柔軟な姿勢で新しい可能性に目を向けなさい。

  そうすれば素晴らしい人生を歩むことができるはず。

  私がそうだったように。

 

ゆっくり訥々と語られるその言葉が、心にじわ~っと染み入るようでした。そしてフライシャーさんが奏でられる一音一音が胸に優しく温かく響いてきました。右手はすっかり良くなったわけではないそうですし、既に80歳を超えておられます。でも音楽への愛、そしてまた両手で演奏できるようになった喜びがひしひしと伝わってくる演奏に思わず引き込まれました。

 

両手での演奏を再開されてから出された "TWO HANDS"  と  "JOURNEY" という2枚のCD、買おうかなとかなり真面目に考えています。

 

mkm

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コメント

mkmさん、こんにちわ。
こちらの記事を読んでいましたら、スホの復活編に重なってしまいましたわ。

"TWO HANDS"・・・タイトルに惹かれますね。
指が動かなくなる前は、"TWO HANDS"が当たり前のことだったでしょう。
でも、動かないという体験をした後で"TWO HANDS"は実は奇跡なのでは?と感じられたかもしれませんね。

私たちは、ついつい、与えられているものには気づかず、与えられていないものばかりに気をとられてしまいがちで、
足りないものを探すことが習慣になってしまっているように思います。
でも、実は、多くのものを与えられているんですよね。。。。感謝したいです。
  • 2009-12-08 21:08
  • URL
  • ちょうちょ♪ #79D/WHSg
  • Edit

私も最初はレオン・フライシャーさんにチェハを重ねていました。
もちろん演奏家生命を断たれた時の思いは、その人のそれまでの人生や演奏家としてのキャリア、年齢によって変わるものだと思いますし、何もかも重ねることはできません。

実際には考えれば考えるほど、「全然ちがう」2人でした。でもその違いを見つめることで、「チェハなら○○○だろう」という部分もより鮮明に見えてきました。 でも一度失った後で演奏家としての自分を取り戻した時、それは以前とは全く別のものに見えたでしょうし、その思いはフライシャーさんもチェハも同じだったのでは?と思います。

30代後半でピアニストとして復帰したスホ・チェハが、その後演奏活動を積み重ねてフライシャーさんくらいの年齢になった時、どんなことを語るでしょう。後に続く人たちを励ましたり力づけたりできる素敵な人生を歩んでほしいな、とふと思いました。
  • 2009-12-09 17:54
  • URL
  • そよかぜおばさん #79D/WHSg
  • Edit

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プロフィール

そよかぜおばさん

Author:そよかぜおばさん
韓国ドラマ「春のワルツ」で描かれなかった15年間に興味を持ち、何とかこの空白を埋めてみよう!と皆さんからアイデアを頂きながら進めてきました。ドラマ後の物語(ピアニスト クリス・ユンの復活)も同時進行させています。「空白の15年」はまだ6年ほど残っていますが、「復活編」はひとまず完結いたしました。


これとは別に趣味のクラシック音楽の話、印象に残った本やテレビ番組、映画の感想など思いつくまま気の向くままにお話ししたいと思います。

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