トンイ 第30回 ~それぞれの思い~

今回、特に印象に残ったのは王様とチャン・オクチョンの会話でした。
トンイが差し出した証拠により捕えられたチャン・ヒジェ(オクチョン兄)の解放を求めてオクチョンが王様を訪ねます。兄を返してください、と言うオクチョンに王様は「証拠がある」と言うのですが、オクチョンは、
「トンイの言葉は真実で私の言葉は偽りですか? トンイの言葉は何の裏付けもなく兄を投獄でき、私の言葉には裏付けがいると?」
「私が真実を話そうと偽りを話そうと、王様が信じたいのはトンイの言葉なのではありませんか?」
と食い下がります。


トンイが見つけた証拠はかなり証拠能力の高いもので、オクチョン一派が陰謀に加担していたことは恐らく疑いようもないことだったのでしょう。王様はオクチョンを悲しそうに見つめて言います。
「今からでも遅くはない。真実を話してくれるならば罪には目をつぶれずとも余の心はそなたを許せる。頼む、オクチョン。」


王様は信じたかったはずです。自分が愛して側室にした彼女のことを。曲がったことが許せない自分の気性をよくわかっていたはずの彼女だから、陰謀に加担していてもいなくても本当のことを話してほしかったはず。
なのに、オクチョンは
「私は許しを乞うようなことはしておりません。私に言えるのはただそれだけです。」
と立ち去ったのです。


一人になったオクチョンは
「もし王様の心を取り戻せるなら、私はこの場でやってもいない罪でも認めるでしょう。ですがもうそれは叶わぬこととわかっております。これだけは忘れないでください。このような私にしたのは王様なのです。」
と呟いて涙を流します。
王様がトンイのことを好きになって自分を振り向いてくれなくなったから、自分も本当のことは言えない、と。


確かに王様とトンイ、オクチョンの出会いはオクチョンにとって不運なことだったかもしれません。でもトンイがいなければオクチョンが今の地位につくこともなかったのです。まだ側室だったオクチョンが西人派の陰謀でその座を追われかけた時に確か2度も助けてくれたのはトンイなのです。そのことで奴婢だったトンイを監察府の女官に取り立てたのがオクチョンでした。そしてそのトンイに、オクチョンは今 窮地に立たされているのです。


女としてのオクチョンの気持ちもわかるのですが、そもそも自分が悪事に加担したのが間違っているわけで、王様の気性を考え併せたら嘘をつき通すことは決して得策ではないのですが、トンイ憎しで固まってしまっているオクチョンにはもはやそれがわからなくなっているようです。せめて王様の気持ちに思いを寄せられたら、王様の気持ちは多少なりとも救われたかもしれないのに、その機会を自ら潰してしまったことが残念でなりません。そしてオクチョンはあろうことかトンイの暗殺を命じます。警備は手薄に見えたようですが、実は門の中に実に大勢の警備兵が待機しており、刺客はあっさり御用となりました。
(トンイが王様の別邸にいることは極秘事項ですから、門周辺をものものしく警備することはできないんです。その分、門の中に警護兵を十二分に配置しておいたんでしょうが、門周辺だけ偵察して「警備は不十分」と判断したのが間違い)。
「ざまあみろ」とも思える一方で、どんどん自分の立場を悪くするオクチョンが哀れでもあります。


一方トンイは自分が差し出した証拠が「一介の女官の証拠では」と相手にされないことを焦り、自分が宮殿に行くと申し出ます。トンイにとって大切なのは、あくまでも真実を明らかにすること、元の王妃の濡れ衣を晴らすことなんです。でもこの時代にはまだ裁判制度がなかったようですから、宮廷を牛耳る南人派にかかったらトンイはあっという間に罪人に仕立て上げられ、死罪(または暗殺)は免れられないところです。(彼らにとっての正義は自分たちの利権を守ることだけですから)。


トンイの身を心配する王様にトンイは言います。
「私は不当な扱いを受けている女官や奴婢のために働きたいのです。それが私が王様のためにできることなのです」。
トンイは王様に守られて安全なところに落ち着くことはできないのですね。


トンイを守るため、王様は自分にできることを考え、重臣を集めて宣言しました。
「女官チョン・ドンイを承恩尚宮(スンウンサングン)にする!」
承恩尚宮とは王の寵愛を受けて尚宮になった人のことをいうそうです。普通、女官として15年間勤めると尚宮になれるそうですから、いきなり尚宮にするというのは特別なことなんでしょうね。決して側室にする、ということではないようですが、王様の特別な命令によって尚宮になったということなので、誰でもうかつに手出しはできないということのようです。王様はトンイを守るために思い切った方法を取ったんですね。


今回はトンイと王様の絡みが終盤だけでしので、トンイの王様への思いがより深くなるという場面はなかったのですが、王様が形の上で一気に進めてしまい、さてこれからどうなるの?? どうする、トンイ??で次週に続きます。


今回はいろいろと思うことが多かった上、パ・リーグのクライマックスシリーズで何だか落ち着かず更新が遅れました。来週も遅れるようでしたら、それは日本シリーズのせいだと思ってください(爆)。





スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

そよかぜおばさん

Author:そよかぜおばさん
韓国ドラマ「春のワルツ」で描かれなかった15年間に興味を持ち、何とかこの空白を埋めてみよう!と皆さんからアイデアを頂きながら進めてきました。ドラマ後の物語(ピアニスト クリス・ユンの復活)も同時進行させています。「空白の15年」はまだ6年ほど残っていますが、「復活編」はひとまず完結いたしました。


これとは別に趣味のクラシック音楽の話、印象に残った本やテレビ番組、映画の感想など思いつくまま気の向くままにお話ししたいと思います。

最新コメント

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード