トンイ 第44回

トンイが漢城府(ハンソンブ)で全てを自白してしまい、トンイの処罰を巡って宮廷がますます混乱する中、トンイの息子が麻疹に罹って満1歳にも満たない命を落とし、王様もトンイの願いを拒みきれなくなってトンイを宮廷から追放するも、しばらくしてトンイは2人目の男の子を出産する…と切なさや未来への希望が描かれる素敵なお話になるはずの回でしたが、最初の息子の死と2人目の誕生以外は全くのフィクションであるため、あちらこちらに綻びが…(突っ込みどころ、満載!)。


トンイと王様が互いを思って辛い決断をする場面は本当に切ないです。
漢城府(ハンソンブ)で自白するということは死罪を意味します。何としてもトンイを守りたかった王様は、なぜ自分に従わなかったのかとトンイを責めますが、トンイは「命よりも大切なものがあります」と答えます。
自分の命を守るより、無実の罪で逮捕され、拷問を受けているかもしれない女官たちを救いたい。そして自分のために苦しんでいる王様を助けたい。トンイはその一心だったのです。


でも王様はトンイには自分のために罪を認めるより、嘘をついてでも ずっと自分のそばにいてほしかったのです。誰に何と言われても、宮廷機能が麻痺寸前になってもトンイを罰しようとしないため、王様もますます辛い立場に追い込まれます。トンイはもうこれ以上大切なものを失いたくない、自分のために王様が苦しむのを見たくないから、これで終わりにさせてほしいと頼みます。


王様も自分がトンイを手放せないためにトンイを苦しめたことを悟り、これからは自分が苦しみを引き受けなければ、とようやくトンイを宮廷から追放することを決めました。


で、ここから「?」の連続。


① トンイがコムゲの頭を庇ったことは死罪に値することのようでしたが、「王子が亡くなったばかりという状況を考慮し、命だけは助ける」と宮廷から追放処分となりました。私には息子の死とトンイの罪は別のことでは?と思えるのですが、南人派にも同じ意見の者がいたそうで、これがあの時代の朝鮮の人の普通の考え方だったのかなあ?としばし考えました。


同時に「側室としての地位と名前は残すが、権利は全て剥奪する」と王様は言いました。今まで通り王の側室ではあるけれど、「権利を剥奪」ということは王室の一員として暮らせないということでしょうから、生活費なんかはどうなったんでしょう? 側室の地位も剥奪する、というならわかるのですが、トンイには支援してくれる実家もありませんし、王の側室があまり粗末な暮らしをしているというのもどうなんでしょうね? 必要最低限は王様(または王妃)がこっそり出していたのかも?ですが、ここのところがどうもよくわかりません。


さらに王様は「二度とトンイには会わぬ」と重臣たちの前で宣言してしまいますが、ここまで言う必要があったのでしょうか? トンイはこれまで通り側室なのに…。(この言葉には重臣たちもどよめいていました)。こうでも言わないと、王様はトンイに会いたい気持ちを抑えられなかったのかもしれませんが、無理に無理を重ねていることがよくわかるだけに、王様が気の毒でなりません。


② 宮廷を追放されてしばらくたったある日、トンイは2人目の子どもを身ごもっていることに気付きますが、何故かこの日が「8月6日」と特定されています。でも宮廷を追放された日は特定されていません。さらにトンイが宮廷から追放された後、一度だけ王様がぐでんぐでんに酔っぱらってトンイの住まいを訪れますが、この日も特定されていません。それで妊娠に気付いた日だけを特定する意味があるのでしょうか?


さっきも言いましたように、王様は「二度とトンイには会わぬ!」宣言をしています。それで宮廷から追われたトンイが身ごもったのであれば、王様が自分の言葉を守らなかったか、はたまた不義密通かで大騒ぎになるはずですが、特に騒ぎにもならず2番目の子どもも王様の子どもとして受け入れられたようですから、恐らく宮廷を出る時にその子はトンイのおなかにいたと考えられたはずなんです。なので何も視聴者を混乱させるようなセリフを入れなくても…と、思ってしまって。
(ついでに言うと、2番目の王子の誕生日は9月13日。もちろんドラマの中の王子ですから、史実通りの日に生まれなくてもいいんですけど、何もややこしいことしなくてもよかったんじゃ…)。


この44回が放送された日の夕方に「イ・ビョンフンの世界」という番組でトンイ撮影の舞台裏を紹介していましたが、たまたまこの44回の脚本を監督が気に入らず、書き直しを命じたというエピソードがありました。脚本家は一晩で9割方書き直したとのことでしたので、細かいところまでチェックしきれなかった可能性があります。もともと「トンイ」は韓国では毎週月曜と火曜の放送で、放送される前の週の日曜の夜にその2回分の脚本が届き、そこから読み合わせ、稽古が始まり土曜日までに撮影を終えるというものすごいスケジュールで作っていたそうなので、ところどころ問題が起こるんでしょうね。本当に大変だとつくづく思いました。以前から気になっていましたが、この殺人的スケジュールなんとかならないものでしょうか。


③ 前回の終盤では一般国民までがトンイの処分を宮殿前で訴えていましたが、「反トンイ感情」の強い国民の住む街にトンイを追放して大丈夫だったんでしょうか?
トンイには監察府(カムチャルブ)時代の上司と同僚だった女官が付き添っていますが、揃いも揃って賑やかな2人なので明るくて楽しいのはいいんですが、しょっちゅう大声で「淑媛(スグォン)さま!」「王子さま!」と呼びかけていれば、あっと言う間に気付かれてしまいそうです。満6歳になった2番目の息子も町へ出て「私はこの国の王子だ」なんて言っちゃうし…(これって秘密事項じゃないの?)。
オクチョンはトンイを死罪にできなかったことを残念がっていました。誰でも簡単に侵入できる質素な家に住んでいるトンイと息子を証拠を残さず暗殺するなんて簡単なことだったに違いありませんから、何だか心配です…。


④ ここからは吹き替えの問題です。
幼い王子を亡くした直後のトンイの言葉が軽く感じられて残念でした(これでは一緒に泣けなくて…)。ここのところヒョジュちゃんはどのように演じていたんでしょうか。
それから終盤で一気に6年が経過し、昑(クム)と名付けられた2番目の子どもが登場しますが、この子の吹き替えがあんまり子どもらしくなくて、ちょっぴり残念でした。先ほどお話した番組で聞いた韓国の子役さんの声は普通の男の子の声だっただけに、声変わり前の少年に吹き替えをやってもらうわけにはいかなかったのかなあ…?なんて。


いろいろと申し上げましたが、酔っぱらった王様が追放されたトンイの住まいを訪ねてくるシーンは二人の思いが切々と感じられて秀逸でした。


恐らく王様はトンイと何度も行った酒場で、トンイがいない寂しさについ飲み過ぎてしまったんでしょう。
そして一人で立っていられないほどに酔いつぶれ、トンイに抱えられて部屋に倒れ込んだ王様は
「いっそ一緒に逃げよう、トンイ。このまま余とともにどこかへ。
いや、そなたはだめだと言うな。余は王だから、王として生きねばならぬか。
ならば人としてはどう生きればよい? そなたなしで、どうやって?
なぜこのような目にあわせた? なぜそなたを見ることも触れることもできなくした?
どうして炎の中で生きるような苦しみを与えた?
だから余はそなたが憎いと言いに来たのだ。そなたをとても恨んでいると言いに。
それに、それに、そなたがとても恋しくてならぬ、と。」と涙を流しながら訴えます。


そう言い終えてトンイにもたれて眠りこんでしまったその表情には苦しみが滲み出ていました。
この言葉と言葉の絶妙の間、それを聞くトンイの表情の変化が素晴らしく、胸が締め付けられました。
トンイは自分が宮廷にいることで王様を苦しめていると思い罰を受けようとしましたが、王様にとってはトンイがいない苦しみの方がはるかに大きかったことにトンイは初めて気付いたのだと思います。


トンイは自分が宮廷を去れば王様の苦しみも少なくなると思って王様に会えない苦しみに耐えていたのかもしれませんが、この日、王様の苦しみを知ってトンイの辛さも増したかもしれません。


翌朝、トンイの住まいを後にする王様の表情はこの先の生活に何の希望も見出せずにいることが感じられるほど暗く虚ろなものでした。でもトンイの懐妊が恐らく王様に希望を与えてくれたことでしょう。王様がトンイの懐妊を知らされたシーンはありませんでしたが、恐らく王様は再びトンイとの間に子どもを授かったことに心から感謝したと思います。その子が無事に育つ限り、トンイと自分を結ぶ絆となってくれるからです。王子が生まれたと知らされた時の王様に笑顔はありませんでしたが、単に嬉しいというよりもっと深く何ものかに感謝するような表情が見えました。


昑(クム)という名には「明るい光」という意味があるそうです。トンイは「父上はお前が明るい光になるようお望みだ。坊や、その意を忘れないで、その名のとおり、この世の貧しい者たちにとって最も明るい光となる立派な人になるのよ」と言い聞かせますが、王様にとってはその子の存在が自分とトンイを結びつける明るい光だったことでしょう。


6年が経って、昑(クム)は明るく元気な少年に育ちました。少々生意気な口をききますが、しばらく辛いお話が続きましたので、私にとっても彼は明るい光に思えます。これからの昑(クム)を交えたお話が楽しみです。




mkm






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トンイ最終章スペシャル

今週はドラマ本編の放送はお休みで、「トンイ最終章スペシャル」が放送されました。これまでの見どころ、これからの見どころの加えて俳優さんたちへのインタビュー、トンイのヒョジュちゃんと王様のチ・ジニさんの対談など興味深い内容ではありました。


初めてチャン・ヒジェ(オクチョンの兄)を演じているキム・ユソクさんの声を聞くことができました! またトンイの息子 昑(クム)役の子役さんイ・ヒョンソク君の声も聞くことができました。撮影当時、小学校4年生だったそうですが、とっても可愛かったです。^^


でもやっぱり「見どころ」よりはドラマそのものを早く見せていただきたかったなあ…。来週の日曜日が待ち遠しいです。
  • 2012-02-20 11:43
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そよかぜおばさん

Author:そよかぜおばさん
韓国ドラマ「春のワルツ」で描かれなかった15年間に興味を持ち、何とかこの空白を埋めてみよう!と皆さんからアイデアを頂きながら進めてきました。ドラマ後の物語(ピアニスト クリス・ユンの復活)も同時進行させています。「空白の15年」はまだ6年ほど残っていますが、「復活編」はひとまず完結いたしました。


これとは別に趣味のクラシック音楽の話、印象に残った本やテレビ番組、映画の感想など思いつくまま気の向くままにお話ししたいと思います。

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