トンイ 第49回  ~粛宗と仁顯王妃~

今回は、世子の病を隠すことに執着するあまり王妃の死を願うオクチョン一派と、王妃の意思を守ろうとするトンイたちの動き、そして王妃の病状が見事に絡み合い、非常にテンポの良いストーリーになっていて、ついつい引き込まれて一気に見てしまいました。(その点、前回はテンポがあまり良くなかったんですね。だから王様のお気楽ぶりが余計に目について、ダメ出しをしてしまいました…。<(_ _)>)


それに加えて今回改めて考えたのは、王様である粛宗と王妃 仁顯(イニョン)の関係でした。
一時期オクチョンの陰謀に嵌められて宮廷から追放されていた仁顯王妃でしたが、追放前も復位後も王様との関係は私の目にはいたって良好に見えていました。追放前(すなわち王様がオクチョンを寵愛していた時期)も仲よさそうに語り合う姿が何度かドラマにも登場していましたし、復位後も王様の言葉の端々から王妃への信頼は厚いことが感じられます。


それだけに今回 王様が意識のない王妃の手を取って
「王妃はさぞ余を恨んでいることだろうな。~(中略)~ 余は一度も王妃に心を開くことはなかったから。」
と言った時にはかなり驚きました。


「余を恨んでいるだろうな」と王様が心配するのは、まだわかるんです。でも王様が「一度も王妃に心を開くことがなかった」って、そんなに冷たい関係だったのか???


しばらく考えて、一つの仮説が浮かびました。
粛宗王にとって、仁顯王妃は人生の伴侶というより、「王」と「王妃」という立場上でのパートナーだった、ということ。ですから、「王」という立場では関わり合いを持つけれど、その立場を越えて心を開き、人として、また一人の男として彼女と心を通い合わせることはなかった、ということ。


粛宗と仁顯は政略結婚だったようです。粛宗が仁顯のことを気に入って結婚したのではなく、彼女は王妃として選ばれて宮廷に入ったようです。ですから粛宗は、彼女は王妃として自分の側にいるのだから、王妃として遇してきた。けれどそれ以上の存在ではなかった、ということなんでしょう。伴侶として何よりも大切な存在ではなかったから、仁顯が無実の罪を着せられた時も恐らく多少心は痛んだことでしょうが王妃の地位を剥奪して宮廷から追放できたんです。(トンイがコムゲの頭を庇う、という「大罪」を犯した時、彼女を守るため嘘の自白を迫った粛宗を見てトンイへの思いの深さを感じ、仁顯王妃のことはそれほど愛していなかったんだな、と思いましたが、今回の粛宗の言葉を聞いて「なるほど…」と納得)。


仁顯王妃にとって不幸だったのは子どもを授からなかったことでした。王妃として世継ぎを残せなかったことで、彼女は王と王室に対して罪を犯してしまったと自分を責め続けていたそうです。元来おとなしく従順な人柄であった仁顯は、子どもを産めなかったことで益々控え目な人になってしまったのかもしれません。自分に罪を着せたオクチョンを憎いと思ったこともあったでしょうが、オクチョンは世子を産んでいますし彼女に対しては何も言えないように思ってしまったのかも。


そんな仁顯の気持ちを粛宗は女官から聞かされるまで知ることもなく、彼女の命が残りわずかな時になって後悔の涙にかきくれていました。粛宗は仁顯のような従順で貞淑な女性より、トンイやオクチョンのようにはっきり自己主張のできる女性が好みだったんでしょうね。この時代、王様が自分の好きな女性を側室にするのは何ら間違ったことではないのですが、その陰で涙を流した王妃が少なからずいたに違いありません。


王室にあって男の子を産むということがどれほど大事なことで産んだ母親にとって力となることか、仁顯王妃を見ていて思い知らされます。今までの彼女の言葉の端々からも子どものいない辛さ、夫である王に愛されない寂しさを感じてきましたが、今回改めて仁顯王妃の目線でドラマを見てみると胸が締め付けられそうな切なさ哀しさを覚えます。自分の寿命を悟り、最後まで王妃として王室のためにできることを精一杯しようとした彼女の生き様の立派さ潔さを見るにつけ、自分たちの地位と立場を守ることだけに汲々とするオクチョンたちの愚かさ哀しさが余計に際だち、哀れにさえ思えます。そして大人たちの思惑とは離れたところで心を通わせ始めた世子とクムの前途にどうか幸あれと祈りたい気持ちになります。




mkm







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Author:そよかぜおばさん
韓国ドラマ「春のワルツ」で描かれなかった15年間に興味を持ち、何とかこの空白を埋めてみよう!と皆さんからアイデアを頂きながら進めてきました。ドラマ後の物語(ピアニスト クリス・ユンの復活)も同時進行させています。「空白の15年」はまだ6年ほど残っていますが、「復活編」はひとまず完結いたしました。


これとは別に趣味のクラシック音楽の話、印象に残った本やテレビ番組、映画の感想など思いつくまま気の向くままにお話ししたいと思います。

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