トンイ 第55回

オクチョンの処刑は申し渡しのその日に行われました。あまりの早さに驚きましたが、宮廷で罪人として扱われることの方がオクチョンには死ぬより辛いことだろうから、少しでも早くその苦痛から解放してやりたかったとの王様の心配りと聞き、それはそれで納得。でも世子にとってこれほど辛いことはなかっただろうと胸が痛みました。


オクチョンの最期は哀れでした。母と兄がこれから島に送られて、やはり毒薬で処刑されることを自身の刑の執行前に知らされ、深い絶望と孤独感でいっぱいだったと思います。世子はオクチョンの助命嘆願をしようにも王様に会うこともできず、半狂乱になってオクチョンの住まいへ。そこで辛うじて母に会うことはできましたが「母上!」「世子!」と呼び合うだけで最後の言葉を交わすこともできないまま、世子は東宮殿へと連れ戻され、オクチョンは世子を追ってきたトンイにどうか世子を守ってほしい、今まで憎み何度も殺そうとしたけれど最後に頼れるのはお前だけだとなりふり構わず叫んで泣き崩れ、王様に自分の最期の姿を見てほしいと頼み、王様との楽しかった日々を思い返しながら毒を飲んで果てたのです。


身内をすべて失い、後に残していく我が子を案じて泣く姿からは、これまでが強気一辺倒だっただけに権力の儚さやそれに頼る人間の愚かさが感じられて、哀しい気持ちになりました。


オクチョンに世子を守ってくれと泣きつかれた時、トンイは苦しげな、また悲しげな表情を浮かべて目をそらしており、オクチョンに返事をする場面はありませんでした。今までのことを考えると、とても「承知しました」とは言えなかったかもしれませんが、恐らくカメラの回っていないところで(笑)何らかの意思表示はしてやったんでしょう。その後、白装束に着替えたオクチョンは落ち着いた表情を浮かべていましたし、命が尽きる瞬間は世子のことではなく王様のことを思っていましたから、恐らく世子の心配は無用になったのだろうと解釈いたしました。トンイもまたオクチョンの処刑が行われる時間、「禧嬪様、どうか安らかにお眠りください」と祈っていましたので、オクチョンの心配事は引き受けてやったのだろうと推察されます。


最後の最後に自分に泣きつくオクチョンを見て、トンイは「今さら何を…」と憤慨したかもしれませんが、どちらかと言えば自分にすがるしかないオクチョンを見て、トンイは彼女のことを哀れに思ったんじゃないか、なりふり構わず自分にすがるオクチョンの姿に胸を詰まらせたんじゃないか、だから何も言えなかったんじゃないか、そんなふうに考えました。


またオクチョンが王様に「自分の最期の姿(=死んでいく様子)を見てほしい」と頼んだことには正直「えっ?」と思いましたが、これもオクチョンの王様への気持ちの表れであり、それが理解できたから王様も応じたのだろうなと、こちらも納得。これまでにオクチョンがしてきたことは許しがたいことばかりですし、王様がトンイに惹かれ、オクチョンへの気持ちが冷めていったのは仕方のないことですが、オクチョンが心の底では純粋に王様を思っていたことが十分感じられただけに、彼女を憎み切れずどこか可哀想にも思えるのです。王様も心の片隅ではオクチョンへの気配りが足りなかったことをすまなく思っていたかもしれません。


さて、全て終わって今度こそ新しい王妃を選ばなければならなくなり、トンイが王妃になることを固辞したため王様は新しく王妃を迎えましたが、王妃任命式で王様はまたしても悲しげな表情を浮かべていたのが心に残っています。王妃になりたくないトンイの気持ちはもっともなんですが、こうしてまた王様の愛を得られないであろう王妃が生まれるのもいかがなものか…。


この新しい王妃(仁元=イヌォン王妃)がなかなかの曲者でして、来るなりトンイを目の敵にしてはあれこれやってくれます。王妃を演じているのはオ・ヨンソさんでこの当時23歳くらいなのでトンイ役のヒョジュちゃんとどっこいどっこいですが、実際に宮廷入りした時の仁元王妃は15歳。その若さで宮廷のしきたりをすっかり頭に入れて、もう30歳くらいになっていたトンイに向かって完全に上から目線で物を言う堂々たる王妃ぶりにはただただ恐れ入ります(誰が新しい王妃を教育したんでしょう? 既に粛宗の母はいませんしねえ)。


トンイが王様の寵愛を一身に受け息子クムを世継ぎにと目論んでいるとの噂を鵜呑みにして、「最初が肝心!」とばかりに警戒心を露わにし、頑張っちゃってるのかもしれません(この方は世子擁護派の娘のようです)。若さゆえの頭でっかちさが表れているのかも?ですが、今はとにかく世子の座を揺るぎないものにしようと頑張っておいでのご様子(もしご自分に王子が生まれたら、その時はどうされるんでしょう? 余計な心配ですが)。


自分に都合の好さそうな方に無節操につこうとするチャン・ムヨルが新王妃にあることないこと吹き込んでますので、これからまたひと波乱もふた波乱も起こるのでしょうが、今のところ仁元王妃はトンイに面と向かって言いたいことを仰っているので、陰湿な陰謀よりは遥かにマシですが、ドラマは何だか「渡鬼」の様相を呈してきました。正直少々疲れてきましたが(全60回はやはり長いですね…)、あと5回ですので最後まで見届けたいと思います。





mkm








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韓国ドラマ「春のワルツ」で描かれなかった15年間に興味を持ち、何とかこの空白を埋めてみよう!と皆さんからアイデアを頂きながら進めてきました。ドラマ後の物語(ピアニスト クリス・ユンの復活)も同時進行させています。「空白の15年」はまだ6年ほど残っていますが、「復活編」はひとまず完結いたしました。


これとは別に趣味のクラシック音楽の話、印象に残った本やテレビ番組、映画の感想など思いつくまま気の向くままにお話ししたいと思います。

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