横山幸雄 ショパン・ピアノソロ全166曲リサイタル

8月25日26日に開催された横山幸雄さんの「ショパン・ピアノソロ全166曲リサイタル」に行ってきました。


各日とも11時から14時30分までの昼の部と16時から19時30分までの夜の部がありまして、計4公演でショパンが存命中に作品番号をつけて出版した全てのピアノ・ソロ曲と死後発表された重要な遺作の全166曲を演奏されました。全部聴けると良かったのですが、今回は諸般の事情により夜の部は断念し、2日連続で昼の部の演奏を楽しんできました。


横山幸雄さんが2011年にショパン・ピアノソロ全曲の演奏会をされたことは知っていました。その時は正直「すごい!」とは思ったものの、マラソンのような演奏の仕方をすることに果たして意味があるのだろうか?と少し疑問にも思っていました。(横山さんは大丈夫としても、お客さんの集中力がもつんだろうか?とも)


なので今回の全曲演奏会のことを知った時も、少し迷いました。けれど、これだけ集中的にショパンの作品を聴く機会はそうあるものではありませんし、普段のリサイタルでは取り上げられることの少ない曲を聴くこともできます。横山さんの演奏は一度聴いてみたいと思っていましたので、いろいろ考えて昼の部だけ出かけることに。^^


プログラムはこちらです。(ほぼ作曲順の演奏だそうです)

[第1回] (8月25日 昼の部)
ロンド op.1
4つのマズルカ op.6
3つのノクターン op.9
12の練習曲 op.10(「別れの曲」「黒鍵」「革命」ほか)


マズルカ風ロンド op.5
5つのマズルカ op.7
華麗なる変奏曲 op.12
3つのノクターン op.15
ワルツ 第1番「華麗なる大円舞曲」 op.18
スケルツォ 第1番 op.20


ロンド op.16
4つのマズルカ op.17
ボレロ op.19
ワルツ ホ短調 遺作
ノクターン 嬰ハ短調 遺作
2つのポロネーズ op.26
バラード 第1番 op.23



[第3回] (8月26日 昼の部)
2つのノクターン op.32
4つのマズルカ op.33
3つのワルツ op.34(「華麗なる円舞曲」ほか)
ピアノ・ソナタ 第2番「葬送」 op.35


即興曲 第2番 op.36
2つのノクターン op.37
バラード 第2番 op.38
2つのポロネーズ op.40(「軍隊ポロネーズ」ほか)
4つのマズルカ op.41
3つの新しい練習曲
スケルツォ 第3番 op.39


ワルツ 第5番 op.42
タランテラ op.43
ポロネーズ 第5番 op.44
前奏曲 op.45
演奏会用アレグロ op.46
バラード 第3番 op.47
幻想曲 op.49



今回の公演では演奏を楽しむだけでなく、ピアノの目覚めの過程を観察することができて大変興味深かったです。
実は第1回第1部では、ピアノの音が何だかキンキンしているように感じました。例えて言うならば、「黒鍵のエチュード」や「革命」には合うんですが、ノクターンにはどうかな…?と思える音。ノクターンはもう少し柔らかい音色の方がいいなあなんて思っていたんですが、20分の休憩の後で始まった第2部ではピアノの音がコロッと変わっていました。全体的によく鳴っていましたし、何より柔らかい音もちゃんと出るようになっていたのです。(もしかしたら調律師の方が休憩時間中に頑張られたのか、とも思いましたが、20分でそこまでピアノの音を変えられるものかどうか…?)


この後、演奏が進むほどにピアノの響きがより深く豊かになっていくのを目の当たりにして、最初は「寝起き」だったピアノが横山さんの演奏によってエネルギーを与えられ、どんどんと本来の力を発揮していく過程を見た気がしました。以前にコンクールについての本を読んでいた時、「ピアノは朝の間は鳴りが悪いから、抽選で午前の早い演奏順が当たると不利になる」と書いてあったのを思い出し、同じ人が同じピアノを弾いていても時間帯によってこれだけ違うんだから、別の人が弾いたのではどうしても優劣がつけられてしまうよねえ」とものすごく納得した次第。


翌日の第3回の第1部ではキンキンした音は聞かれませんでしたが やはり本来の響きではなく、前日もそうでしたがペダルを使った時に「ペダル効き過ぎ」みたいにいろんな音がごっちゃに混ざってしまう状態にはなっていました。(この状態でソナタのような大曲の演奏は大変だったろうな、と思いました)。


でもこの日も時間が経つにつれてピアノはよく鳴るようになりまして、第3部ではちょうど円熟期の作品が並んでなかなか素晴らしかったです。で、できることなら最後の第4回も聴きたかったなあと後ろ髪を引かれる思いで会場を後にしました。
(午前中に一度演奏した後、夜の部の冒頭でピアノがどんなふうに鳴るかも確かめたかったです)。


第1回は11時開演で終わったのが14時30分、第3回は同じく11時開演で終わったのは14時20分くらい。
こんなに長いリサイタルは初めてでした。さすがに第3部になると少~しお尻が痛いように思いましたが、不思議と演奏自体が長いとは感じませんでした。


全体的に横山さんの演奏は、繊細で情緒的というよりは力強い感じでした。各回の始めにはマイクを持って登場されて「おはようございます」。「おはようございます」で始まる演奏会ってまずありませんから、ちょっと面白かったです。


で、各回の休憩ごとに衣装も替えて登場されました(20分とか15分の休憩の間に着替えるのは大変だったでしょうね)。大体がグレーを基調としたスーツでしたが、第1回の第2部は濃いグレーのシャツにグレーのパンツ。第2回第2部は黒のベストスーツに真っ赤なシャツで出てこられたのが印象に残っています。



さてさて、このホールでは 9月にはピアノだけでも及川浩治さん他4名のリサイタル、10月にはユンディ・リ、11月にはジャン=マルク・ルイサダとスタニスラフ・ブーニンが2週連続でリサイタル。楽しみなチラシをお土産にどっさりもらってきて、さてどれに行けるかなと楽しみにしています。


空は随分秋めいてきましたが、残暑は相変わらず厳しくまだまだ秋の気配は感じられません。でも間違いなくやってくる芸術の秋が楽しみです。




mkm





参考までに、第2回のプログラムはこちら。http://asahi.co.jp/symphony/event/detail.php?id=1630
第4回のプログラムはこちらです。http://asahi.co.jp/symphony/event/detail.php?id=1632






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Author:そよかぜおばさん
韓国ドラマ「春のワルツ」で描かれなかった15年間に興味を持ち、何とかこの空白を埋めてみよう!と皆さんからアイデアを頂きながら進めてきました。ドラマ後の物語(ピアニスト クリス・ユンの復活)も同時進行させています。「空白の15年」はまだ6年ほど残っていますが、「復活編」はひとまず完結いたしました。


これとは別に趣味のクラシック音楽の話、印象に残った本やテレビ番組、映画の感想など思いつくまま気の向くままにお話ししたいと思います。

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